「孫の将来のために500万円くらい残してあげたい」
そんなときに気になるのが、贈与税とNISAです。
2027年からは、0~17歳を対象としたNISAのつみたて投資枠が始まる予定です。
年間60万円、非課税保有限度額600万円という制度になるため、祖父母から孫への資産形成を考えるうえで、非常に注目される制度になりそうです。
では、祖父母が孫に500万円を贈与し、そのお金をこどもNISAで運用した場合、贈与税はいくらになるのでしょうか?
この記事では、
- 孫に500万円を贈与した場合の贈与税
- 18歳未満と18歳以上で税額がどう変わるのか
- 500万円を一括贈与する場合と分けて贈与する場合
- こどもNISAに年間いくら投資できるのか
- 祖父母から孫への資産形成で注意したいポイント
について分かりやすく解説します。
※この記事は2026年9月時点の制度・税率をもとにした一般的な情報です。実際の贈与については、個別の事情によって税額や課税関係が変わる場合があります。
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- こどもNISAとは?
- 孫に500万円を贈与したら贈与税はいくら?
- 孫が18歳以上なら贈与税は48万5,000円
- では、500万円を一括で贈与しない方法は?
- 「最初から500万円を5年間で贈与する」と約束するのは注意
- こどもNISAなら年間60万円まで
- 500万円を5年間で贈与した場合のイメージ
- もっと長期で考えるなら「60万円ずつ」という方法も
- 祖父と祖母からそれぞれ贈与すれば220万円まで非課税?
- 500万円を贈与するなら、一括と分割どちらがいい?
- 500万円を「贈与税ゼロ+NISA」で運用するという考え方
- では、孫の500万円は将来いくらになる?
- 重要なのは「贈与税」と「NISA」を分けて考えること
- まとめ:孫への500万円は「一括贈与」だけが方法ではない
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こどもNISAとは?
2027年から、0~17歳を対象としたNISAのつみたて投資枠が設けられる予定です。
主な内容は次のとおりです。
| 項目 | こどもNISA |
|---|---|
| 対象年齢 | 0~17歳 |
| 年間投資枠 | 60万円 |
| 非課税保有限度額 | 600万円 |
| 投資対象 | 長期・積立・分散投資に適した一定の投資信託 |
| 成長投資枠 | なし |
| 開始予定 | 2027年 |
金融庁・財務省の資料では、0~17歳を対象に年間60万円、非課税保有限度額600万円のつみたて投資枠を設ける制度が示されています。
つまり、子どもの将来資金を長期間運用するための制度です。
孫に500万円を贈与したら贈与税はいくら?
ここで重要なのが、
NISAと贈与税は別の制度
ということです。
「NISAだから贈与税もかからない」というわけではありません。
例えば、祖父母から孫へ500万円を贈与した場合、まず贈与税を計算します。
贈与税には、暦年課税の場合、年間110万円の基礎控除があります。
500万円を贈与すると、
500万円-110万円=390万円
が基礎控除後の課税価格になります。
孫が18歳未満の場合
孫が贈与を受けた年の1月1日時点で18歳未満の場合、祖父母からの贈与でも一般税率が適用されます。
500万円の場合、
390万円×20%-25万円=53万円
となります。
つまり、
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 贈与額 | 500万円 |
| 基礎控除 | 110万円 |
| 課税価格 | 390万円 |
| 贈与税 | 53万円 |
| 贈与後に残る金額 | 447万円 |
となります。
これは国税庁が示している500万円の具体例と同じ計算です。
孫が18歳以上なら贈与税は48万5,000円
一方、贈与を受けた年の1月1日時点で孫が18歳以上の場合、祖父母などの直系尊属からの贈与には「特例税率」が適用されます。
500万円の場合、
500万円-110万円=390万円
そして、
390万円×15%-10万円=48万5,000円
となります。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 贈与額 | 500万円 |
| 基礎控除 | 110万円 |
| 課税価格 | 390万円 |
| 贈与税 | 48万5,000円 |
| 贈与後に残る金額 | 451万5,000円 |
つまり、500万円を一括贈与する場合、
18歳未満 → 贈与税53万円
18歳以上 → 贈与税48万5,000円
という違いがあります。
では、500万円を一括で贈与しない方法は?
ここからが重要です。
贈与税には年間110万円の基礎控除があります。
例えば、毎年100万円ずつ孫に贈与した場合、他の贈与がないなどの条件を満たせば、その年の贈与税は0円です。
例えば、
- 1年目:100万円
- 2年目:100万円
- 3年目:100万円
- 4年目:100万円
- 5年目:100万円
とすれば、
合計500万円
になります。
各年の贈与額が100万円で、他の贈与もない場合、年間110万円の基礎控除内に収まります。
そのため、単純な一括贈与と比較すると、贈与税を抑えられる可能性があります。
ただし、ここには大きな注意点があります。
「最初から500万円を5年間で贈与する」と約束するのは注意
例えば、
「これから5年間、毎年100万円ずつ孫に贈与する」
と最初から契約してしまうと、単純な毎年の贈与とは異なる扱いになる可能性があります。
国税庁も、毎年100万円ずつ10年間贈与することをあらかじめ契約している場合には、その契約をした年に、定期的に給付を受ける権利の贈与を受けたものとして贈与税がかかる場合があると説明しています。
したがって、
「500万円を5年間に分ければ必ず贈与税ゼロ」
と単純に考えるのは危険です。
毎年その都度、贈与する意思決定を行い、実際に贈与することが重要です。
こどもNISAなら年間60万円まで
では、500万円を毎年100万円ずつ贈与した場合、その100万円を全部こどもNISAに入れられるのでしょうか?
ここも注意が必要です。
こどもNISAの年間投資枠は、
年間60万円
とされています。
そのため、例えば毎年100万円を贈与しても、
こどもNISAに投資できるのは年間60万円まで
です。
残りの40万円については、預金など別の方法で管理することになります。
500万円を5年間で贈与した場合のイメージ
例えば、祖父母から孫へ毎年100万円ずつ贈与するとします。
| 年 | 贈与額 | こどもNISA | 残り |
|---|---|---|---|
| 1年目 | 100万円 | 60万円 | 40万円 |
| 2年目 | 100万円 | 60万円 | 40万円 |
| 3年目 | 100万円 | 60万円 | 40万円 |
| 4年目 | 100万円 | 60万円 | 40万円 |
| 5年目 | 100万円 | 60万円 | 40万円 |
| 合計 | 500万円 | 300万円 | 200万円 |
この方法なら、500万円すべてをNISAに入れるのではなく、
300万円をこどもNISAで長期運用
し、
200万円を預金などで管理
するという方法も考えられます。
もっと長期で考えるなら「60万円ずつ」という方法も
こどもNISAの年間投資枠が60万円なので、
毎年60万円を贈与して、そのままこどもNISAに投資する
という方法も考えられます。
500万円を60万円ずつ贈与すると、
約8年4か月
で500万円になります。
もちろん、実際には毎年の贈与契約や贈与の事実、孫自身の財産管理などを適切に行う必要があります。
祖父と祖母からそれぞれ贈与すれば220万円まで非課税?
ここは非常に間違えやすいポイントです。
例えば、
祖父 → 孫:110万円
祖母 → 孫:110万円
とすれば、
「220万円まで非課税なのでは?」
と思うかもしれません。
しかし、これは原則として違います。
贈与税の年間110万円の基礎控除は、
贈与する人ごとではなく、贈与を受ける人ごと
です。
そのため、祖父から100万円、祖母から100万円を受け取った場合、
合計200万円-110万円=90万円
が基礎控除後の課税価格になります。
「祖父110万円+祖母110万円=220万円まで非課税」
とは考えないようにしましょう。
500万円を贈与するなら、一括と分割どちらがいい?
ここまでを整理すると、次のようになります。
| 方法 | 贈与税 | 特徴 |
|---|---|---|
| 500万円を一括贈与 | 53万円※ | 一度に大きな金額を渡せる |
| 毎年100万円×5年 | 条件を満たせば0円 | 贈与を分散できる |
| 毎年60万円程度 | 条件を満たせば0円 | こどもNISAとの相性が良い |
| 祖父母それぞれから贈与 | 合計額に注意 | 110万円は受贈者単位 |
※孫が18歳未満の場合。18歳以上なら48万5,000円。
500万円を「贈与税ゼロ+NISA」で運用するという考え方
ここで一つの考え方があります。
例えば孫が小さいうちから、
毎年60万円を贈与
↓
その60万円をこどもNISAへ
↓
長期・積立・分散投資
という流れです。
これなら、
「孫に現金500万円を一気に渡す」
のではなく、
「孫の将来の資産形成を長期間サポートする」
という考え方ができます。
こどもNISAの非課税保有限度額は600万円なので、年間60万円を10年間投資すると、ちょうど600万円になります。
では、孫の500万円は将来いくらになる?
ここが、この制度を考えるうえで一番面白いところです。
例えば、孫が0歳のときから投資を始めたとします。
仮に500万円を長期間運用できた場合、年平均5%で運用できれば、
10年後:約814万円
20年後:約1,327万円
30年後:約2,161万円
となります。
もちろん、これは年5%の運用が毎年続いたと仮定した単純なシミュレーションです。
実際の投資では、価格が下落することもあります。
しかし、0歳から30歳までという非常に長い時間を味方につけられるのは、子どもの資産形成の大きなメリットです。
重要なのは「贈与税」と「NISA」を分けて考えること
今回のポイントをまとめます。
贈与税
→ 孫に財産を渡したときの税金
こどもNISA
→ 投資による利益を非課税にする制度
この2つは別物です。
したがって、
500万円を孫に贈与する
↓
贈与税を計算する
↓
孫の財産として管理する
↓
こどもNISAで投資する
という順番で考える必要があります。
まとめ:孫への500万円は「一括贈与」だけが方法ではない
孫に500万円を残してあげたい場合、単純に500万円を一括贈与すると、孫が18歳未満なら贈与税は53万円になります。
一方、年間110万円以下の贈与であれば、暦年課税の基礎控除によって贈与税がかからない場合があります。
さらに2027年からは、0~17歳を対象とした年間60万円のNISAつみたて投資枠が設けられる予定です。
そのため、
「毎年の贈与」+「こどもNISA」+「長期運用」
という組み合わせは、孫の将来の資産形成を考えるうえで有力な選択肢になりそうです。
ただし、贈与は「誰のお金なのか」「誰が管理するのか」「毎年どのように贈与するのか」が重要です。
特に多額の贈与を予定している場合は、実行前に税理士や税務署などに確認しておくと安心です。

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